食道がん
【種類】
最も一般的な2種類の食道がん
1.扁平上皮がん
食道の内側にある粘膜層をつくっている細胞
2.腺がん
粘液を分泌する腺
このほかにがん細胞の構造の違いにより、
腺扁平上皮がん、肉腫、メラノーマ(悪性黒色腫)、プラズマ細胞腫などにわけられます。
また、食道のどの部分に発症したかによって、頸部食道がん、胸部食道がん、腹部食道がんの3つに大別されます。
【症状】
・無症状
(無症状で発見された食道がんは早期のがんであることが多く、最も治る確率が高い)
・食道がしみる
(食べ物を飲み込んだ時に胸の奥がチクチク痛んだり、熱いものを飲み込んだ時にしみるように感じるといった症状)
・嚥下時の痛み、嚥下困難
・体重減少
(3ヶ月間に5〜6kgの体重が減少する)
・胸痛・背部痛
・咳、血痰
(むせるような咳・特に飲食物を摂取する時)
・声のかすれ
【診断】
1)食道造影検査(レントゲン検査)
バリウムを飲んで、それが食道を通過するところをレントゲンで撮影する検査です。
造影検査では、がんの場所やその大きさ、食道内腔の狭さなど全体像が見られます。
2)内視鏡検査
食道にヨウ素液(一般にルゴールといいます)を散布すると、正常の粘膜は茶褐色に染まりますが、
がんの場所は染まらずに白くぬけて見えます。
内視鏡検査の最中に異常と思われる箇所の一部を小さくつまみとって、顕微鏡でがん細胞の有無をチェックします。
この検査を生検組織診断といいます。
無症状、あるいは初期の食道がんを見つけるには、内視鏡検査は極めて有用な検査であり、
たとえレントゲン検査で異常がなくとも内視鏡検査で発見されることがあります。
3)CT検査
CT(コンピューター断層撮影)身体の内部を輪切りにしたように見ることができるX線検査です。
CT検査は、がんと周囲臓器との関係を調べるためには最も優れた診断法といえます。
進行したがんにおいては進行度を判定するために最も重要な検査です。
4)内視鏡超音波検査
内視鏡の先端に超音波装置がついており、
食道内腔から食道壁の構造の超音波像が得られる検査です。
この検査によりがんが食道壁にどの程度入り込んでいるか(がんの深達度)を見ることができます。
また、食道の外側にあるリンパ節の腫大の有無などをとらえることも可能です。
5)超音波検査
体外式(体表から観察する)の超音波検査は腹部と頸部について行います。
腹部では肝臓への転移や腹部リンパ節転移の有無などを検索し、頸部では頸部リンパ節転移を検索します。
頸部食道がんの場合は、主病巣と気管、甲状腺、頸動脈などの周囲臓器との関係を調べるため行います。
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