肝臓がん
【種類】
○原発性肝臓がん(肝臓固有の細胞ががん化
●肝細胞がん→肝細胞から発生
●胆管細胞がん→胆汁が通過する胆管の細胞から発生
○転移性肝臓がん(他箇所にできたがんが肝臓に転移)
転移性の肝臓がんは、その性質を転移元の臓器の細胞に大きく依存するため、
治療方法などがそれぞれに異なります。
肝細胞がんと胆管細胞がんで95%を占めます。
成人では、肝臓がんの大部分(90%)は肝細胞がんです。
残りの5%には、
・小児の肝がんである肝細胞芽腫
成人での
・肝細胞
・胆管細胞混合がん
・未分化がん
・胆管嚢胞腺(たんかんのうほうせん)がん
・カルチノイド腫瘍 などごくまれなものがあります。
【症状】
・食欲不振
・全身倦怠感
・腹部膨満感
・便通異常(便秘・下痢など)
・尿の濃染
・黄疸
・吐下血
・突然の腹痛
・貧血症状(めまい・冷や汗・脱力感・頻脈など)
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど障害があっても症状が出ません。
肝がん特有の症状といえば、「みぞおちにしこり」を感じることです。
これは肝がんが肝臓の左半分の部分に発生した時にみられ、
医学用語では「心窩部腫瘤(しんかぶしゅりゅう)」といいます。
肝がんに特有な「心窩部腫瘤」や「突然の腹痛、貧血症状」などの肝がん破裂症状は、
肝がんとしてはかなり進行した段階といわざるを得ません。
【診断】
○画像診断
超音波検査肝臓の構造を画像として描き、その構造の異常から病気を診断する方法です。
●CT検査
CTは身体の横断面を撮影します。
●腹部超音波検査
超音波検査は放射線の被曝がなく、腫瘍と血管の位置がよくわかります。
ただ、患者さんの状態や部位によっては見えにくい場合があります。
●血管造影検査
造影剤を注入してから肝動脈を撮影し、
肝臓のごく小さな腫瘍、特に微小な肝細胞がんの発見に有効です。
○腫瘍マーカー検査
血液検査を行い、肝臓がんの腫瘍マーカーであるAFPやPIVKA-2の数値を出します。
○針生検
画像診断や血液検査の結果から、多くの場合は肝がんと診断がつけられます。
必要に応じて行うことがあります。
※肝がん検査の頻度
肝がんの場合は、自覚症状が出現してから病院を訪れるのでは手遅れのことが多いため、
肝がんの高危険群に属する人は日ごろからの定期検査が必要です。
定期検診の間隔は、
肝炎ウイルスに感染しており、他に異常がなければ1年に1回で十分です。
肝炎ウイルスの感染に加えて、肝機能に異常がある時は半年に1回は必要です。
肝がんはまだ認められないがAFPが軽度上昇している場合は3ヶ月に1回の頻繁な検診が必要です。
高危険群ではない人については、年に1回程度の一般的健康診断で十分です。
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